神経症・うつ病
神経症とはいわゆるノイローゼのことであり、不安や恐怖などを過剰に感じることによりさまざまな身体の異常が認められる病気です。神経症の中には突然前触れもなく出現する恐怖により電車に乗れないなどの症状が出るパニック発作や家の鍵を何度も締まってるか確認するような過剰な不安・恐怖が認められる強迫性障害や人前で何かをするときに過剰に緊張してしまう社会不安障害などがあります。
またうつ病は診断基準が明確にあり大原則として「うつ状態をきたす内科疾患が存在しないこと」が挙げられます。そのためうつ病と診断するには必ず甲状腺機能低下症や更年期障害、ビタミン欠乏症などを除外する必要があります。
泌尿器科領域においても慢性前立腺炎や間質性膀胱炎、線維筋痛症、慢性疲労症候群などとも密接に関わりのある分野でもあります。
診断と治療
内科疾患の除外と詳細な問診により診断します。自分の病気をはっきり理解することが不安を和らげたり症状を改善したりするのに役立ちます。そのうえで薬物療法を行っていきます。抗うつ薬のしきいが高いと感じる方には漢方薬から処方を開始します。抗うつ薬での治療ではまずSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害)という種類の薬物を使用します。投与初期2週間ほど吐き気が出ることが多いですが自然とおさまりますので途中で中止しないことが重要です。消化器症状や眠気などの副作用が強い場合はSNRIや三環系抗うつ薬、NaSSAと呼ばれる種類の薬剤へ変更していきます。また興奮やまとまりのない考えがめぐって眠れないなどの症状がみられる場合は少量のメジャートランキライザーを使用する場合があります。