枚方市・長尾の泌尿器科・内科・外科【かとう泌尿器科・内科・外科クリニック】。泌尿器科に関する専門性の高い診察はもちろん、内科、外科、予防接種、健康診断など、皆様のお体の状態を総合的に診察可能です。気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください。

甲状腺機能亢進症・低下症

甲状腺機能亢進症・低下症

甲状腺機能亢進症のほとんどがバセドウ病という病気です。眼球突出、甲状腺が腫れる、脈が速くなるという特徴的な症状が挙げられますが病状が軽い場合は必ずしもこれらの症状は見られるわけではありません。単に自然に体重が減少してきたり、よく汗をかいたりするなどのような症状だけの場合もあり診断が難しい症例も存在します。また甲状腺機能低下症の多くは橋本病(慢性甲状腺炎)という病気です。元気がなくなったり、むくみがでたり、コレステロール値が高くなったりします。

原因

バセドウ病も橋本病も免疫異常によっておこる自己免疫疾患と考えられています。それぞれ抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)受容体抗体と抗サイログロブリン抗体が産生されることにより引き起こされます。抗TSH受容体抗体は過剰に甲状腺ホルモンを産生する方向に働き、抗サイログロブリン抗体は甲状腺の細胞を破壊する方向に働き様々な症状が出現します。診断は血液検査で甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン、自己抗体の測定を行い、また甲状腺エコーで腫瘍などがないか調べます。

治療

バセドウ病:バセドウ病の治療は基本は薬物治療になります。甲状腺疾患は女性に多く発症する傾向にありますが薬物治療は妊娠中または妊娠を考えている女性にも投与することが可能です。
甲状腺の腫れが著しい場合は放射性ヨードでの治療や甲状腺摘出術も選択肢になりますが放射性ヨードの治療の場合妊娠などの時期には注意が必要となります。眼球突出がある場合は眼科での診察が必要となります。甲状腺機能亢進症の治療中特に気をつけなければならないのは途中で突然薬物治療を自己中断することです。よく見かけられるのは引っ越しなどに伴い元々のかかりつけ医を離れ薬がなくなってしまいそのまま中断するケースです。突然薬の治療を中断すると甲状腺機能亢進症が悪化し体が全く動かなくなる周期性四肢麻痺という病気を来す恐れがあります。そのため必ず薬物治療中は自己判断で薬を中断しないようにすることが重要です。
基本的には薬は長期間内服する形になりますが寛解に入った場合は薬の投与なしで経過観察する場合もあります。
橋本病:甲状腺機能が正常の場合は無治療で経過観察する場合もあります。甲状腺機能低下が見られ、むくみや倦怠感などの症状が出現した場合は甲状腺ホルモンの投与を行います。
またヨウ素摂取(昆布・海藻類・イソジンうがい液)に関しては甲状腺機能を低下させたり亢進させたりする可能性がありますので主治医にご相談されることをお勧めします。