間質性膀胱炎
膀胱に突然アレルギー性の炎症や原因不明の炎症が起こり尿が近い、下腹部の違和感が持続する、尿を貯めた時に膀胱に痛みがあるなどのつらい症状をきたす難病です。
膀胱内にHunner ulcer(ハンナアルサー)と呼ばれる特徴的な潰瘍が見られることがあり重症度と相関します。潰瘍のあるなしにより治療方法も異なりますので膀胱鏡検査が診断・治療には必須となります。
この病気は治癒することが難しく治療を行っていても周期的に悪化したり、軽快したり繰り返すため徐々に精神的に疲労しうつ状態やうつ病を併発する方もおられます。また全身に強い痛みの走る線維筋痛症や常時インフルエンザにかかっているような体のだるさを訴える慢性疲労症候群などとも合併することがある非常につらい病気です。
検査・治療
尿検査で細菌による膀胱炎など似たような症状を起こす病気がないか除外し膀胱鏡検査で膀胱内の炎症やこの病気に特徴的な点状出血、Hunner潰瘍などの有無を確認します。
治療は軽い症状であれば薬物療法のみで軽快する場合も多いですが重症例では膀胱水圧拡張術(膀胱内に生理食塩水を限界ギリギリまで注入する)やジムソという薬剤を膀胱内注入し炎症を起こしている膀胱の細胞や血管を破壊し症状の改善をはかる治療を行ったりします。また潰瘍に対しては手術で切除する場合もあります。
いずれにせよこの病気は治療抵抗性であり長期間にわたり付き合っていかなければならないためなるべく症状が軽くなるように治療を組み合わせて継続していくことが重要になります。