腎癌
腎癌は腎臓という血液をろ過して尿を作る左右1対存在する臓器に発生する癌です。
元々は古典的な3つの症状として①血尿②腹部腫瘤③痛みが挙げられますが近年CT検査が日常的に行われるようになりほとんどの症例が無症状で発見されるようになりました。
腎癌の種類にもよりますが泌尿器科の癌の中では比較的ゆっくり発育するものが多いのも特徴です。50歳以上で発見されることが多いですが20歳でも腎癌が見つかる場合もあります。また腎嚢胞という加齢に伴い誰にでも見られるような疾患のごく一部から腎癌が発生する場合があります。
治療
基本的に可能であれば腎癌の治療は手術で摘出することが第一選択になります。必要に応じて追加で薬物治療を行うことになります。進行腎癌では肺に転移することが多いですがこの場合でも手術により腎癌を摘出したのちに肺の治療を行うことになります。 現在では手術方法の確立によりよほど大きい腎癌や血管内に大きく進展している症例を除き腹腔鏡もしくはロボット支援下で手術することが多いです。また4cm以下の腎癌では腎臓を全摘出した場合と腫瘍だけを部分的に摘出した場合の制癌率などに差がないとする報告が多いため腎臓の機能温存の観点からも腎部分切除術が選択されることも多くなっています。