ざ瘡(にきび)
思春期以降の顔面、胸背部の毛穴の脂腺の代謝、角質の代謝、毛穴の感染が原因でいわゆる「赤いぶつぶつ」ができる慢性炎症性疾患のことを尋常性ざ瘡(にきび)といいます。
この疾患は複雑なメカニズムで発症しており治療も難しいケースが多いのが特徴です。
一方で思春期以降多かれ少なかれ皆体験する疾患でもあり主に美容面での問題という認識がこれまで強かったため医療現場では軽視されてきたのも事実です。
しかし皮疹ができる場所が顔面が中心であること、発症後発年齢が思春期以降であること、いじめの対象にもされる可能性があることから本人の生活の質が著しく損なわれる可能性のある重要な疾患であるという認識が強まってきました。不適切な治療や自力での圧出などにより瘢痕(傷跡)が残るケースもありますのでざ瘡でお悩みの方は一度受診していただくことをお勧めいたします。
治療
単発であれば圧出による早期完治を目指す場合もありますが治療面積が広い場合は角化、炎症をおさえる外用療法とスキンケアに加え抗生剤内服療法を併用して行います。
途中経過で悪化したようにみえる場合もありますが、いずれにせよ治療には数か月かかるため途中で自己判断により治療を中断しないことが大切になります。