PSA高値(前立腺癌の疑い)
前立腺癌は男性のみに発症する癌であり男性における癌の中でも1位と非常に頻度も高いです。数十年前は前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA検査が実施されていなかったこともあり発見時には進行しているケースが多くみられました。しかし50歳を超えると急激に発症率が増えることがわかってきて年に1回のPSA検査が推奨されるようになってから早めに医療機関を受診する人が増え、その結果最近ではほとんどの症例が早期癌で発見されるようになりました。もともと前立腺癌はゆっくり進行するケースが多いので10年間無治療でも遠隔転移などの進行が見られない場合もあります。しかし早期癌できちんと治療すれば完治する可能性が高い癌であることがわかってきた現在きっちりPSAの定期検査をして早めに診断をすることが大事であると考えられます。
一方でゆっくり進行するという特徴を逆に利用して、80歳以上の高齢者では積極的に治療しないという選択肢も考えられるためPSAをあまり測らないでいいという考えもあります。
前立腺癌の診断方法
前立腺癌の検査にはPSA、MRI、CT、PET、直腸診など様々なものがありますが確定診断には前立腺針生検が必須となります。肛門から直径2cmほどの超音波エコーを挿入しエコーをみながら前立腺に針を刺して組織を採取します。組織を顕微鏡で調べて癌を特定します。検査は施設にもよりますが当院では日帰りで行っております。検査時間は準備を含めて15分ほどです。
50歳以上で一度も検査したことがない方、高いといわれたけど放置していた方、ご家族ご親族に前立腺癌をお持ちの方(遺伝により発症リスクが高くなります)は一度PSA検査を受けられることをお勧めいたします。